11/21/2025

英国政治で偏執ぶりが増大している一方だ(The Conversation)

 英国政治での偏執ぶりが増大している一方だ(The Conversation)

公開日:2025年11月19日 午後2時50分(GMT)


米保守層からすれば前回の大統領選挙で英労働党がボランティアを派遣し、米民主党の選挙運動を助けたことは忘れられない遺恨でしょう。外国による政治干渉とも受け止められかねない事態で、よくスターマー政権は生き延びられたものですね。



謀説がダウニング街10番で渦巻いている。英国式の政府に関する研究は、何十年にもわたり、非公式のブリーフィングや、同僚を困らせたり、議題に問題を上げたりする情報漏えいの役割を探求してきた。

 最近、キア・スターマーの仲間たちによる陰謀説が持ち上がったが、これは首相に対する差し迫った指導力への挑戦を暴き出すために仕組まれたものであり、陰謀への関与を否定したウェス・ストリーティングに注目を集めることを主目的としていた。

これは、幻のクーデターを未然に防ごうとする、ブリーフィング戦略という形の先制攻撃だった。この奇妙な事件はすぐに立ち消えになった。しかし、騒動が落ち着いた今、疑問が浮かび上がる。この事件は、スターマー政権、そしてより一般的には英国政治の状況で何を物語っているのか?

 その答えは、英国の政治に、誇張、疑惑、陰謀論的な空想を軸とする、新たな、ますます偏執的なスタイルが出現していることを示している。

 偏執的なスタイルとは、歴史家リチャード・ホフスタッターによって、アメリカの政治、特に冷戦初期における共産主義への恐怖という文脈で初めて提唱された。簡単に言えば、それは、あらゆることを陰謀論的なレンズを通して見る政治的推論のモデルを説明している。

 全ての首相は偏執的だ。その偏執ぶりは、超競争的な同僚の大半が自分のポストを狙っていると知りながら、閣議の席で笑顔を装わねばならない状況から生まれる。

 第一次世界大戦時の首相、デイヴィッド・ロイド・ジョージのジョン・グリッグによる伝記は、本人が同僚たちが常に自分を追い出そうとしていると確信していたことを示唆している。アンソニー・イーデンは、1956年のスエズ運河危機で英国が世界舞台で屈辱を味わったことを受け、偏執的な雰囲気に陥ってしまった。

 ハロルド・ウィルソンは、治安機関に対して深く根強い疑念を抱きながら統治を行い、1960年代後半には、ロイ・ジェンキンズが大蔵大臣として手腕を高く評価されるたびに、彼の偏執狂的な傾向が顕著になった。マーガレット・サッチャーは、首相在任期間の末期に近づくと、閣僚たちが「自分の味方ではない」という信念に基づいて要塞のような考えを持つようになった。

Health secretary Wes Streeting

最新のドラマで中心人物のウェス・ストリーティング保健大臣。フレッド・デュバル/Shutterstock

 これが伝統的な、あるいは「古い」タイプの偏執症なら、スターマーは今、まったく異なるものを投影している。彼の偏執症は、主に外部の脅威や偽装工作に対する懸念から生まれたものではない。それは、英国政府の頂点に空白が存在し、ある時点でこの弱点が課題につながるという、より深い認識を反映している。

 野党時代のスターマーにとっては、平凡な政治家であることが有利だった。当たり障りのない態度で、論争の的となる話題を避け、実用主義を掲げていたため、敵が攻撃する材料がほとんどなかったのだ。しかし、ウェストミンスターでは、政権与党として、明確なイデオロギー的信念の欠如が政府を舵取り不能に陥らせ、英国国民に対して、自国をどこへ、なぜ(そしてどれほどの犠牲を払って)導きたいのかという前向きなビジョンを提示できないという認識が広まっている。

 こうした状況の中で、スターマーは英国の亡命政策の抜本的な見直しを発表して、労働党の一般議員からの挑戦に直面している。世論調査が開始されて以来最悪の人気度を記録している首相にとっては、決して良い状況ではない。


体系的な陰謀論

ホフスタッターにとって、偏執的なスタイルとは、終末的な危機的状況の表現、政治的な出来事に対する陰謀的な説明、そして国家の衰退を隠された勢力に帰する傾向によって特徴づけられた。それは道徳的二元論(「愛国者対裏切り者」)と、存在的な剥奪感(「国が奪われている」)を伴っていた。

 英国政治との関連性が見えるだろうか?筆者が偏執的だと思われるだろうか?

 この偏執的なスタイルは、個々の政治家の臨床的または心理的状態と無関係だ。これは個人的な疑惑ではなく、体系的な陰謀論である。

これはより広範な社会心理的病理と、民主政治の制度・プロセスへの信頼崩壊から生じている。同時に、分断を助長する包囲網ナラティブが社会的に増幅されている。

 ブレグジット以降、この偏執的スタイルは英国で常態化した。かつて安定性・統治能力・均衡ある市民文化で名高かった国が、今や偏執的文化に支配されている。個々の指導者に限定されていた歴史的な事例とは異なり、今や拡散し、大衆主義的傾向を帯び、政治のあらゆる分野に浸透している。

 これは、失敗したブリーフィングの背後に存在する、より深い物語であり、憂慮すべきものである。それは、規範違反を容認する構造を生み出し、急進化と二極化を加速させ、政策能力を弱体化させ、失敗の悪循環を助長する危険性がある。その結果、さらなる偏執狂が生まれる。

 英国の政治情勢は変化している。この大きな変化を認識することで、スターマー政権の緩やかな死を深く理解することができる。古いルールはもはや通用せず、「善良な人々」は統治方法を知らない。

あるいは、筆者が偏執的すぎるだけなのかもしれない。■


The growing paranoia of British politics

Published: November 19, 2025 2.50pm GMT

Author Matthew Flinders
Founding Director of the Sir Bernard Crick Centre for the Public Understanding of Politics, University of Sheffield


https://theconversation.com/the-growing-paranoia-of-british-politics-269867


著者

マシュー・フリンダースは、本記事から利益を得る企業・組織に勤務せず、コンサルティングも行わず、株式を所有せず、資金提供も受けていない。また、学術職以外の関連所属機関は開示していない。

パートナー

シェフィールド大学は、ザ・コンバージェンスUKの創設パートナーとして資金提供を行っている。



11/17/2025

次期NY市長マムダニは西洋文明に挑戦している(The Daily Signal)―コロンブス像の撤去を主張する本人の正体は全体主義者で共産主義者だ。民主党は過激思想に乗っ取られた

 

市民の生活が困窮し、貧富の差が拡大していることからこうした過激思想が政治の中央に登場したのですが、市長に就任すればたちまち政策が破綻し、NYCは混乱の場になるはずです

Zohran Mamdani stands as he talks to reporters with his head tilted to his right while motioning with his right hand.

ニューヨーク市長に当選したゾーラン・マムダニは、2025年11月11日、ニューヨーク市ブロンクス区サウンドビュー地区にあるボランティア・オブ・アメリカ・コモンウェルス退役軍人住宅で開催された退役軍人の日のイベントで、短い挨拶を行った。(Michael M. Santiago/Getty Images)


長選挙投票日の 3 日前、以前は辛辣だった「サタデー・ナイト・ライブ」がオープニングの寸劇で、ニューヨーク市長に立候補中のゾーラン・マムダニを「笑顔が多すぎて顔が痛くなる」とからかった。そのジョークは、マムダニの絶え間ない笑顔は偽りであり、親しみやすさを演出するための策略だというものだった。

さて、「SNL」は、初期の頃のように必見のエンターテイメント番組ではなくなったものの、依然として優れた政治予測であることに変わりはない。マムダニの顔はもはや痛くない。候補者から当選者への変貌で、歯を見せる笑顔が消え、マムダニが今やその全体主義的な牙をむき出しにできることを意味している。

選挙の夜、間もなく「閣下」となる彼はブルックリン・パラマウント劇場で25分近い勝利演説を行い、不満を政治の糧とする姿勢と、抑圧された者と抑圧者で構成される世界観を語った。これは1848年の共産党宣言以来、全ての良きマルクス主義者で常套手段だ。

マンダニが勝ち取ったのは選挙であって革命ではない

ここで疑問となるのは、なぜ民主党がマンダニの真の政治派閥であるアメリカ民主社会主義者(DSA)に党を乗っ取らせたのかだ。DSAのメンバーは繰り返し、民主党を好まないことを明言しているが、彼らの戦略は、質の悪いハロウィーン映画に出てくるゾンビのような身体奪取者になることだ。

その他地域においては、今や西洋文明をマムダニのような者から救うことが急務だ。これは段階的に進められるが、壮大な戦略が必要である。

その一歩が、コロンバス・サークルとその名の由来となった像を、マムダニの破壊から守ることだ。彼は喜んでそれを破壊し、その場所にモスクを建てようとする。宗教的信念からではなく、イスラム教が反西洋の象徴だと理解しているからだ。

これは誇張ではない。なぜマムダニが当選後、本性を露わにしたのか理解すべきだ。彼は大きな政府を信奉するだけでなく、全体主義的傾向すら持っていることを明らかにしている。

全ての共産主義者がそうである。共産主義は、個人の生活のあらゆる側面、大小を問わず干渉し、党と国家からの逃避を許さない場合にのみ存続し得る。

マムダニは演説の冒頭で、一世紀以上前にアメリカ社会党を創設したユージン・デブスに言及した。そして新たな夜明けを約束した。

「今夜、我々の街に夕日が沈んだかもしれない。だがユージン・デブスがかつて言ったように、『人類にとってより良い日の夜明けが見える』」とマムダニは聴衆に語った。

彼はまた、独立インド初代首相であり、いわゆる「ネルー主義的社会主義」を導入してインドを貧困化させたジャワハルラール・ネルーにも言及した。

「皆さんの前に立つと、ジャワハルラール・ネルーの言葉を思い出す。『歴史において稀に訪れる瞬間がある。古いものから新しいものへ踏み出す時、一つの時代が終わり、長く抑圧されてきた国家の魂が声を上げる時だ』」とマムダニは語った。

だが演説で本当に目を引いたのは、マムダニがこう言った部分だ。「我々は証明する。政府が解決できないほど大きな問題も、政府が顧みないほど小さな懸念もないと」。

これが最も恐ろしい点だ。マムダニは政府だけが大きな問題を解決できると信じているだけでなく、さらに悪いことに、政府が我々の生活の隅々——宗教、家族生活、願望——にまで介入できると信じている。政治学にはその概念を表す言葉がある。全体主義だ。

これがDSAの戦略であり、民主党を乗っ取った理由だ。彼らは選挙を公然と戦うのではなく、過激派が有利になる投票率の低い予備選で勝利し、その後、民主党支持の都市で圧勝する手法でマルクス主義を実現しようとしている。

高校や大学で洗脳された20代、30代の世代がいる。彼らの親は仕事で疲れ果て、夜に家庭で洗脳を解く責任を放棄した。

こうして若者はマムダニの「タダで物を得る」という約束に弱くなった。右派のファシスト的反社会者ニック・フエンテスと同様、DSAも若者に訴えかけているが、その戦略ははるかに洗練されている。

「民主党は本当の味方ではない」とDSA活動家はアンディ・ンゴが公開した動画で述べ、続けて「民主党は我々が利用する道具だ」と語る。

そしてニューヨークで起きたことは、ニューヨークに留まらない。

「我々がニューヨークで用いたモデルは100%再現可能だ」と、DSA NYCの活動家ダニエル・グールデンも動画で述べている。

グールデンのオンライン経歴によれば、「ブルックリン在住の作家、教師、気候活動家」である。ニュー・スクールで美術学修士号を取得し、小説やノンフィクション作品は『ジャコバン』『リード・マガジン』『JMWW』『ビッチン・キッチュ』に掲載されている。また「米国史上最大のグリーン・ニューディール法案成立を主導した運動の主要組織者であり、ニューヨーク市のスクール・オブ・ビジュアル・アーツの教員でもある」とされている。

この超教育を受けた愚か者の軍団から、我々はどう身を守たらよいのか?当面の対策として、西洋文明の遺産をこの災厄から守るため迅速に行動すべきだ。西洋文明の象徴そのものであるクリストファー・コロンブスから始めるのが最適だろう。彼は西洋文明の恵みを西半球にもたらした人物だ。

ゾーラン・マムダニ効果は全国に広がることはない

マムダニは既にコロンブスの像撤去を要求している。だがニューヨークのランドマークは、正式に史跡指定することで守れる。エリック・アダムス市長には、ニューヨーク市歴史的建造物保存委員会と協力し、コロンバス・サークルとその像を史跡指定する猶予が1か月半残っている。

その後で学校の対応を考えよう。民主党が目を覚まし、トーマス・フィリップ・“ティップ”・オニールやディック・ゲファート時代の姿勢に戻るかもしれない。当時、私は彼らを高く評価していなかったが、民主党が再びアメリカを愛するようになるなんて、素晴らしいことではないか?

この記事はワシントン・エグザミナー誌に最初に掲載された

ここに掲載された内容は、デイリー・シグナルの見解を代表するものではない。

マイク・ゴンザレス

@Gundisalvus

マイクは、ヘリテージ財団のデイヴィス国家安全保障・外交政策研究所のアンヘレス・T・アレドンド E Pluribus Unum 上級研究員である。彼の研究を読む。


Mamdani Is a Warning for Western Civilization

Mike Gonzalez | November 16, 2025

|https://www.dailysignal.com/2025/11/16/mamdani-is-a-warning-for-western-civilization/


11/16/2025

民主党が2026年中間選挙の攻撃対象としてRFK Jr.をやり玉にあげている(POLITICO)


民主党がRFK Jr.のワクチン反対運動を攻撃しつつ、本人の支持基盤を怒らせないよう苦労している内情をお伝えする

2025年11月5日、ワシントンD.C.の保健福祉省前で、抗議者が「RFK Jr.を弾劾せよ」と書かれた箱を積み上げ、ロバート・ケネディJr.保健福祉長官の解任を訴えた。| ANDREW CABALLERO-REYNOLDS/AFP via Getty Images

和党はロバート・ケネディJrを中間選挙の切り札と見なしているが。民主党は本人に足枷をはめようとと試みている。

ドナルド・トランプ大統領の最高顧問は、過激な保健長官が、左右両陣営の反体制的なエネルギーを奮い立たせる独特の能力を持っていると信じ、2026年の共和党の運命は、長官の「アメリカを再び健康に」(MAHA)運動を満足させ続けることにかかっていると主張している。

しかし、民主党候補者や組織は、ケネディが共和党の足を引っ張ることに賭けているとPOLITICOに語った。長年にわたるワクチン反対の見解が国民を遠ざけていることを示す世論調査を指摘している。

民主党は、有権者がケネディを、製薬会社に対する彼のより人気のある批判や栄養と健康への注目よりも、病気の流行や保険費用の上昇と関連付けることを期待している。両党が中間選挙に向けて連合の構築を目指す中、ケネディに対する世論、そして候補者たちが彼に対抗してどのような立場を取るかが、議会の支配権を決定する重要な選挙戦に影響を与える可能性がある。

「ケネディ氏が議員を務めたミネソタ州では今年、20件以上の麻疹感染例が確認された。これは一世代前に根絶されるべきだった病気だ。タイレノールや妊娠に関する誤った情報を含め、あらゆるレベルで健康に関する誤情報が蔓延している」と、ミネソタ州で唯一空席となる(そして最も競争の激しい)下院議席に挑戦し民主党候補として立候補した内科医のマット・クラインは述べた。「だから私はこの問題について声を上げてきた。声を上げる使命があると思う」。

最近の世論調査は、こうした批判にアメリカ国民が賛同する準備ができていることを示唆している。

無党派の医療シンクタンク KFF は、10 月の世論調査で、アメリカ国民の 60% 近くが保健長官としてのケネディの実績を不適切と考えていることを明らかにした。しかし、共和党員の圧倒的多数は引き続きケネディを支持している。別の 10 月の KFF 世論調査では、MAHA 運動に共感する親の 40% が、ワクチンに関する信頼できる情報をケネディが提供しているとは考えておらず、MAHA を支持しない親の 75% 以上が同じ考えを持っていることが明らかになった。

ロバート・ケネディJr.保健福祉長官が、2025年9月9日、ワシントンD.C.の保健福祉省本部で開催された「アメリカを再び健康に(MAHA)委員会」の会議に出席した。(Francis Chung/POLITICO via AP Images) | AP

2月の就任以来、連邦保健職員数千人を解雇し、政府のワクチン審査委員会を粛清し、妊婦にタイレノール服用を控えるよう勧告するなど、同長官の物議を醸す行動は、一部の民主党員に立候補のきっかけを与えた。両陣営の候補者は、2026年を2018年、2020年、2022年の選挙の再現とするべく動いている。これらの選挙では、医療政策で共和党を攻撃した民主党が勝利を収めた。

それでも一部の民主党員は慎重な姿勢を保っており、ワクチンの重要性と健康情報での誤りの危険性に焦点を当てつつ、ケネディに直接言及しない方針だ。

「これらの問題は政治や個人を超えている」と語るのは、イリノイ州の下院議席をめぐり混戦状態の民主党予備選に出馬している救急医トーマス・フィッシャーだ。「だから私は、個人対個人の対立にしようとするより、人間性を尊重し、それを反映した政策を作ることを語りたい」。

かつて民主党員で政治王朝の御曹司であるケネディを格好の攻撃対象と見なす者たちでさえ、彼の熱烈な支持者やポピュリスト的見解に広く共感する有権者を遠ざけないよう、ケネディへの攻撃は適切に組み立てる必要があると警告している。

下院の民主党支配を目指す政治活動委員会「ハウス・マジョリティ・フォワード」の広報担当CJ・ワーンケは、同団体が中間選挙で脆弱な共和党候補とケネディを結びつける広告を今年前半に実施したように真剣に検討中だと述べた。しかし食品や健康に関する広範な支持を得ているMAHA運動の論争に発展させたり、ワクチン政策の細部に踏み込んだりする代わりに、同団体は調査で有権者が最も重視する点に焦点を当てる見込みだ。

「来年は選挙区次第だが、『RFK Jr.、トランプ、共和党が医療費を吊り上げている』という趣旨のメッセージが大量に出回るだろう」(ワーンケ)。

内部戦略について匿名を条件に語ったホワイトハウス当局者は、政権がケネディを「非常に幅広い層や政治的立場にアピールする資産」と見なしていることを強調した。その根拠として、政権のソーシャルメディアアカウントが彼の医療政策を頻繁に宣伝している点を挙げた。

「本人が乳児用粉ミルクや子供向け食品の人工成分について発言する時、それを疑問視すると、完全に現実離れしているように見えるのではないか」と、この当局者はケネディの実績に反対する民主党員たちに問いかけた。

保健福祉省のスポークスマン、アンドルー・ニクソンも、この自信を繰り返し述べた。「何十年もの間、旧来の公衆衛生機関はアメリカ国民を失望させてきた。ケネディ長官は、その方向修正を主導している」と彼は語った。

しかし、再選を目指す共和党員たちは、ケネディから距離を置いている。2025年を通して、共和党候補のうち、ミッチ・マコーネル上院議員の後継として立候補しているケンタッキー州のネイト・モリスだけが、保健福祉長官と足並みを揃える広告を掲載した。

8月から10月にかけ放映されたテレビCMで、モリスはケネディの承認に反対票を投じたマコーネルを批判し、当選したら「食品や水から致命的な毒素や化学物質を取り除く」という保健福祉長官の運動に参加すると誓った。

一方、民主党は、この戦略が11月4日にニュージャージー州でミッキー・シェリル次期知事の圧勝に貢献したようであることから、ケネディのワクチンに関する見解を攻撃する勇気がさらに高まっている。

シェリルは、共和党の対立候補であるジャック・シアタレッリを「過激な活動家や陰謀論者、ドナルド・トランプやロバート・F・ケネディ・ジュニアのような人物から影響を受けている」と非難し、予想以上の大差で勝利した。

シアタレッリは10月の討論会で、小児予防接種を支持すると主張したが、親が予防接種を拒否しやすいようにすべきだとも訴えた

元民主党幹部で、過去 2 年間に健康擁護団体「Protect Our Care」がケネディへ対抗する広告を掲載したブラッド・ウッドハウスは、中間選挙における民主党の医療政策のメッセージは、主に共和党の「One Big Beautiful Bill Act」がメディケイドと民間保険に与える影響に焦点を当てると予測している。

しかし、ケネディへの攻撃は、特にジョージア州のように本人の政策の影響を強く受けている州では、ほとんどデメリットがないと見ている。同州では保健長官が数千人の疾病対策予防センター職員を解雇した。

「ケネディ・ジュニアの本質と、彼の政策や選択の危険性が広く認識されている」と彼は述べ、がん研究費削減やワクチン入手難を例に挙げた。「有権者は、食品の赤色着色料よりはるかに危険な政策だと理解している。死んでしまえば食べられないのだから」。

「特定の選挙区での広告活動とは別に」と彼は付け加え、ケネディは「共和党が医療に反対しているという有権者の認識を助長している」と指摘した。

政治団体ハウス・マジョリティ・フォワードは2025年、アラスカ、アイオワ、ニュージャージー、ニューヨーク、ペンシルベニアの各州で、ケネディ支持を表明した共和党現職議員を非難する数十万ドル相当の広告を展開した。広告では、ケネディが「陰謀論」に基づき政策を決定し、食品と医療の両方のコストを押し上げていると警告した。

ワーンケはこのメッセージが効果的だったと結論づけた。広告展開後の各選挙区での世論調査を根拠に挙げている。

同団体は通常、「お化け戦略」——共和党がナンシー・ペロシ、アレクサンドリア・オカシオ=コルテス、ゾーラン・マムダニら民主党員に対して行うように、選挙区を問わず候補者を特定の分断的な人物と結びつける手法——を避ける。

しかしケネディは例外だとワーンケは主張する。知名度の高さと国家医療政策への影響力を考慮すれば、特に説得力のある「お化け」だからだ。

州議会議員、知事、上院議員、下院議員を目指す全国の民主党員も同意見だ。麻疹やワクチンで予防可能な疾病が全国で発生する中、ケネディを悪役として描くのは容易だと複数の関係者が語った。

ウィスコンシン州副知事サラ・ロドリゲス(元看護師でCDC疫学情報サービス職員)は知事選に出馬し、ケネディの辞任を要求。POLITICOに対し「彼の政策でワクチン接種機会を失うことを懸念する有権者に多く出会った」と語った。

オハイオ州保健局長を経て知事選に出馬したエイミー・アクトンも、ケネディの「無謀で混乱した保健政策決定」に「非常に、非常に恐怖を感じている」有権者との対話を挙げた。また、複数の民主党員は、プレスリリースや演説、戸別訪問での会話で、自らケネディ氏について積極的に話題にしない場合でも、有権者がその話題を持ち出すと述べた。

「RFK Jr. に立ち向かってくれてありがとう」と、偶然私に近づいてそう言う人の多さに驚いている」と、再選を目指すティナ・スミス上院議員(民主党、ミネソタ州)は語った。

リンジー・グラハム上院議員(共和党、サウスカロライナ州)に挑戦している小児科医のアニ・アンドルーズは、有権者は健康保険料の値上げに関心を寄せる一方、ケネディのワクチン政策にはあまり関心を寄せていないと感じているが、それでも後者に対処する義務があると感じていると述べた。

「RFK Jr.がこの立場に就いてから11カ月も経っていないが、与えた損害は、たとえ彼が今日辞任したとしても、医療専門家や公衆衛生専門家として回復するには何十年もかかるだろう」と彼女は語った。

先週ヴァージニア州下院議員に当選した小児科医マーク・ダウニーら一部の候補者は「アメリカを再び健康に」運動の支持者を一部離反させる可能性があっても、、ケネディ批判が結果的にプラスになると判断している。

「RFK Jr.についてどう思うか尋ねられることがある。私が『彼の発言や政策の多くに同意できない』と答えると、『じゃあ君には投票しない』と言う人もいる」と彼は語った。「しかし大半の人は『なぜこれほど効果的で何百万もの命を救ってきたワクチンプログラムを疑うのか?』と言い、ケネディを不確実性と混乱の要因と見なしている」。■


‘You can't eat if you're dead’: Dems eye RFK Jr. as their 2026 boogeyman

Inside Democrats’ effort to attack RFK Jr.’s vaccine moves without angering his base.

By Alice Miranda Ollstein11/15/2025 12:00 PM EST

https://www.politico.com/news/2025/11/15/democrats-kennedy-maha-message-00647045



 

トランプ大統領はウクライナとヨーロッパへ苛立ちを爆発させている(POLITICO)

  大統領は戦争終結を望んでいるが、和平協定では実現の見通しは立たないままだ (この記事は航空宇宙ビジネス短信T2と共通内容です) 2025年12月8日、ホワイトハウスで、ドナルド・トランプ大統領がPOLITICOのダーシャ・バーンズとの特別番組「The Conversation...